【ALBUM REVIEW】Nazz / Nazz(1968)

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60’sのロック界隈に疎かったため最近掘り起こしを強化しているのですが、その中でTodd Rundgrenがソロ活動の前にやっていたフィラデルフィアのサイケデリック・ロックバンドNazzの1stアルバムにピンと来てしまいました。
ギター志向のノイジーなサイケロックにジャズ・ソウル由来の甘いメロディを混ぜ合わせている感じで、どこか初期のTame Impalaにも通ずる、今聴くと「こんなバンドがこの時代にいたんだ」と思えるくらい非常にモダンなポップさを持ったバンドに感じました。


キラーチューン「Open My Eyes」は表面上は極めてキャッチーなポップロックなんですけど、Tame Impalaもよくやってるサウンド全体にフランジャーだかフェイザーだかのシュゴォーッという位相が歪むエフェクトをかけているのが強烈にサイケです。


80’sのインディーバンドがこんな感じの曲をよくやっていたなぁという印象のするさわやかなギターポップ「See What You Can Be」。


コードワークやサウンドがジャズっぽくておしゃれなスウィートバラード「Hello It’s Me」。分厚いコーラスがイイ。
この曲はTodd Rundgrenがソロでもやっていて、ソウルやポップ要素の強いニューミュージックのようなアレンジになっていてそっちも非常に良いです。

この時代のサイケはジミヘンや13th Floor Elevatorsみたいなシブいブルースロックだったり、ビートルズのようにインド音楽をミックスしたもの、またはDoorsや初期Pink Floydのようなおどろおどろしい呪術的な感じだったりが主流ですが、Nazzの全体的にスウィートな美メロと程よくノイジーなギターサイケが楽しめる感じは、現代のネオサイケデリアなサイケポップのニュアンスに近く(というか源流になってる?)、非常に聴きやすいです。
60年代は強烈なレジェンドバンドが数多くいるうえ、Todd Rundgrenはソロ活動のほうが有名なこともあり、Nazzに注目が集まることはあまりないように思いますが、もったいない内容。
サブスクにもあるようなので、未聴の方はぜひ聴いてみて欲しいです。

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